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 creative commonsとインセンティブ - GIMPSの足元に立つ

2005.3.23 *  creative commonsとインセンティブ
クリエイティブ・コモンズ―デジタル時代の知的財産権(ローレンス・レッシグ, 林 紘一郎, 椙山 敬士, 若槻 絵美, 上村 圭介, 土屋 大洋, クリエイティブ・コモンズ・ジャパン)
 以前からcreative commonsには、インセンティブが無いからうまくいかないと言う意見を多く聞きましたが、

  自分が使わないソフトウェアのオープンソース開発はうまくいかない。(Frederic Brooks IBM360開発者にして「人月の神話」著者)

 というのは、なかなか説得力のある言葉でした。
 より便利なものを自分が使うインセンティブがオープンソースにはある。

 もう少しで3年になりますが、少し、自分の取り組み方・考え方について総括してみましょう。

 私は2chのアスキーアートの拡がりに、オープンソース型の創作活動の成功を夢見ました。(2002-07-21)
 そして、私は、自由と集積こそが力となると考えました。
 沢山の人による、原作者に配慮・萎縮することのない制度的だけでなく精神的な自由が、新たな改変・改良した作品を次々に生み出し、創作性が集まるから、パワーを発揮し、そのパワーに魅力を感じ、人々がまた集まると。

 しかし、2chのアスキーアートも、コミュニケーションツールとして、自らが使うというインセンティブが存在します。(そこにもっと重きを置いて考えてみるべきだった)

 ただ、私はコラボレートの楽しさを、もっと人々が体験・知ることができる環境(機会・ツール)があれば、状況は変わるのではないかと、今でもまだ考えています。
 今後は、そういった方法を模索したいです。

 インセンティブがなくても、詩や絵画・音楽などを自分でホームページに無料で公開する人は、沢山おられます。
 コラボレートを進める前に、「彼らは、何故、そうするのか」そこを深く突き詰めてみる必要もあると考えています。
 自己顕示欲なのか。自己満足なのか。なら何故、満足するのか。

 最後になりますが、creative commonsは、社会に、新しいものを提示した価値は十分にあることは、もちろんです。
 これからも、恐らく、100年後、私たち全員が死んでも、人類が存在しているなら、ccか、あるいは別のものが存在し続けるでしょう。
 大きな創作活動への新しいうねりは作れなくても、そんなものは目指さなくていいから、創作の自由への命綱として、ゆっくりでもいいから、高めていって欲しい。


2005.3.19 *  GIMPSの足元に立つ
The Mersenne Newsletter, issue #8 (GIMPS 1996-11-23)
 これはGIMPSが、1996年に初めて素数2^1398269-1(420921桁)の発見に成功したときのGIMPS側のリリースです。
 GIMPS開始から11ヶ月。
 これは一般参加型分散コンピューティングで、初めての大きな成功でもありました。

 それまでの素数探索はCrayの独壇場でした。
 この2ヶ月前、Crayは、Cray T90シリーズのスーパーコンピュータを使い、378,632桁の素数2^1257787-1発見の成功を発表していました
 このリリースの中で、最大素数記録の11のうち10は、自分たち(SGI・Cray)が持っていると記載しています。

 GIMPSの発見成功後、素数探索は、一般参加型・個人による探索が主流となっていきました。

 47*2^n+1 Searchは、3月2日に、7*2^1491852+1(449094桁)の発見に成功しました。
 GIMPSが初めて達成した一番小さな山の1つに立つことができました。

 私達は、もっと行けるはずだ。
 そのためには、もっと沢山の人に参加してもらいたい。
 できることなら、私は、そのための環境を、もうちょっと整備したいところです。



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