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住所微妙変更のすすめ - 素数探索プロジェクトのプレゼントが到着 - 掲示板でスレッドを誤って削除 - SEO(検索エンジン最適化)の行き着いた先 - Winny作者逮捕で、分散・グリッドへの影響 - 掲載しなかったことを責められる環境を私は持つべき
2004.05.29 * 住所微妙変更のすすめ
昔、まだInetが大都市で28.8kbpsモデムで個人に普及し始めた頃、雑誌のコラムに載っていた話です。
その作家はソフトのユーザー登録を、何らかの理由か間違いかでペンネームで登録したそうです。
すると、その後、ペンネームの名前で自宅住所にポルノ商品の案内が届いたそうです。
この住所とペンネームを一緒に使うのは、ただひとつ。そのソフト会社ではないか。
様々なところで個人情報を登録することがあります。
その一方、毎日、様々な見知らぬところからダイレクトメールが送られてきます。
そこで来るダイレクトメールから、その個人情報がどこから流出したものかを追跡するために「マーキング」を行ってみるのはどうでしょう?
具体的にどうマーキングするのか。
簡単な方法では、住所の末尾を微妙に変更して登録する。
例えばエコール社の住所は、兵庫県尼崎市七松町1-3-1-2407です。
ある所で住所を入力する時は七松町1-3-1-2408,
別の所では七松町1-3-1-2409。
あるいは、七松町1-3-1-2408-1,七松町1-3-1-2408-2としてもいいです。
そして、個人情報を開示した相手の団体名かURLと、住所の末尾部をメモするなり表計算ソフトに入れるなりします。
後は来るダイレクトメールの住所の末尾を見て、流出状況をチェック。
自分でサーバを運営していて、いくらでもメールアドレスを発行できるなら、住所の末尾の数字をいじるのではなく、メールアドレスで行えば、このSPAM蔓延時代、効果覿面です。
どの企業に個人情報やメールアドレスが流れると、どこからメールが来るのか、公開データベースを作ればおもしろいかも。
2004.05.28 *
昨日、ゆうパックで送られてきました。
ありがとうございます。
素数探索プロジェクトは、現時点で9100個以上の素数候補が探索終了。
17or Bustが、参加者を順調に増やしながらも、素数が見つからず一年苦しんだように、我々素数探索プロジェクト参加者も辛抱をまだ要求されそうでしょうか。
その一方GIMPSは、また新素数発見の話題に沸いています。
余談ですが、メルセンヌフォーラムには、Haiku thread(俳句スレッド)なんてものがあります。
2004.05.20 *
掲示板のOGRスレッドを誤って削除してしまいました。
5/10までのデータは復旧できました。
本当にごめんなさい。
2004.05.16 * SEO(検索エンジン最適化)の行き着いた先
Yahoo!週間ランキング 書籍総合(日販調べ 2004年5月10日)
上位5件をgoogleで検索してみました。
「10件中/*件」の後ろの数字は、上位10件で引っかかったショッピングサイトの数です。
本のショッピングサイトは、何十万点という書籍を扱う以上、個々に力を入れることなどできず、いずれも大した内容の無いページばかりです。
もちろんショッピングサイトが悪いわけではありません。
彼らは自らのビジネスの重要な戦略として、SEO(検索エンジン最適化)対策に力を注ぎます。
むしろ問題なのは、出版社が、読者に訴求力のあるInet上での戦略を何一つ取れていない(少なくとも検索エンジンでは見つけられない)ことでしょうか。
私は、この検索結果を見た最初、「google八分にしてしまえ」と思ったのですが(今でもamazonクローンの価値の無い検索結果についてはそう思う)、じゃあどんな結果が上に来ればいいのだろう。
「大した内容の無いページ」 「訴求力の無いページ」。
今、私はこんなことを言いましたが、じゃあ、内容のある書籍紹介ページ・訴求力のある書籍紹介ページってどんなんだろう。
個々の書評などで記憶に残る素晴らしいものはありますが、商業ベースで考えると、そういえば、余り記憶に残っていません。
編集者と呼ばれる人がいるなら、その人は、自らが編集し発売する本に、ほぽ日刊イトイ新聞が何かを売る時並の手間をかけてもいいのではと思うのですが、そうならないのは何故だろう。
Inet上の人間達は、本を読む人間と重ならない,相反する面が多いということだろうか。
2004.05.11 * Winny作者逮捕で、分散・グリッドへの影響
窓の杜NEWSは、P2P技術開発自体が規制される可能性を指摘し、United DevicesのUDAgent等の社会貢献色の高い一般参加型分散コンピューティングへの影響の可能性も記載しています。
UDAgentにしろSETI@homeにしろ、ファイル交換機能は持っていないため、突拍子の無い指摘にも見えます。
しかし、今、急速に進展している、フレームワーク,プラットホーム,ミドルウェア開発においては、衝撃が走ったように思えます。
0から作り上げるWinnyとは比較にならない程 短いコードを、グリッド・P2P・分散処理機能を担うミドルウェアで実行するだけでファイル交換ソフトが出来てしまえば、その短いコードをオープンソースにすれば、恐らく様々な人々によって様々なファイル交換ソフトの亜種が登場するでしょう。
こうなると作者の誰か一人を捕まえても開発は止まらず、連綿と様々なファイル交換ソフトが出てくるでしょう。
そうなると、大元は、ミドルウェアじゃないかと見られてしまうかも知れません。
「自分達の作った、ミドルウェア,プラットホーム,フレームワークを利用して、誰かがお手軽にファイル交換ツールを作ってしまえば、自分達も罪に問われるのでは」と、対策を講じる、それが無理な場合は公開停止へと、ミドルウェア開発者を萎縮させてしまうのではなかろうか。
折しも、素数探索プロジェクトは、サーバ一極集中の弊害をなくすなど様々な利点を得るため、より完全なP2Pへと移行しようとしています。
複雑系・人工生命・AIによる人工社会などを構築するようなプロジェクトが今後出てくるなら、Winnyのような高度なネットワークを構築したものが増えるでしょう。
0から全てを作り上げるだけのパワーのある一部の人々を除けば、今後は既存のミドルウェアに頼る傾向が多くなるでしょう。
産学協同のSOBAだったか、違ったとしても確かNTT系の研究部門が作っていたもので、以前、わざとファイル交換への利用が困難かしきいが高い状態でフレームワークを公開したものが存在したように思います。
こういう傾向は、そのミドルウェアを使う開発者の自由・可能性を大幅に抑制してしまうもので、良い傾向とは思えません。
P2Pファイル交換ツールは作れないけど、サーバ・クライアントシステムを一歩踏み越えた、P2Pな人工社会などの分散コンピューティングは支障なく構築できるミドルウェアというのは、少し無理がありそうに感じます。
開発環境というのは、紙とペンのようなもので、
誰かに取って不都合なことが書けないペン,消えてしまう紙
誰かに取って不都合なプログラムがコンパイルできないコンパイラ
誰かに取って不都合なネットワーク環境が構築できないミドルウェア
というものは歪な社会に見えます。
しかしだからといって、ミドルウェア開発者に、見ず知らずの人が、そのミドルウェアの上で動くプログラムを書いた責任まで背負うリスクに耐えてくれとなんて言うことはできません。
こんなことを言ってもしょうがないのだろうけど、やはりEFF(電子フロンティア財団)のようなものが日本にも欲しい。
2004.05.05 * 掲載しなかったことを責められる環境を私は持つべき
分散コンピューティングのほうでは特に、海外では掲載されているのに、当方では掲載されていないプロジェクトや情報などが往々にあります。
それ以外にも、 --たとえばNoharaさんに教えて頂いているような-- 様々な高度な情報を送って頂いたりしても、自分で消化しきれないままだったりすることがあります。
その理由は、大部分が自分の能力不足と怠惰によるところなのですが、私は、それらを黙殺できてしまいます。
キャス・サンスティーン著『インターネットは民主主義の敵か』へのWIRED編集長 江坂氏の書評にも少し繋げられるかも知れないですが、Inet上では、私はいくらでも隔絶して逃げられる。
動かなかったことについて私を責められるシステムもあったほうが良いように思う。
責められたところで私が動けるかは不明ですが、問題の存在自体を私の手の中で黙殺されてしまう環境よりは理想的です。
もちろん、逃げられることが悪いことばかりとは思わないです。
たとえば2chは究極の逃げられる場です。
自分の責任をゼロにして人々に自分の書き込みを見てもらう最良の場所です。
それ故に様々な発言(中身)が飛び出ることに、価値を感じます。
どんな物でもアウトプットしなければゼロと言えます。
話が少しそれました。
こんなことを書くのも、これから、コンピュータ・ネットワーク関連に割ける時間が減り、活動内容のレベルダウンが予想されるためだったりします。
責められる環境というより、自分が編纂するという概念を捨てて、wikiのようにコミュニティベースの制作に移行できるものなら移行したほうが理想的なのやも知れません。
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