的日記 2004年3月  先月 - 最新月
 「素数探索プロジェクト」は完全なP2P型に - 素数探索プロジェクトの進捗率が固まる場合には - エロゲー英訳プロジェクトなんてどう? / 青空文庫で公開するため岡本かの子 「花は勁し」を入力 - ポール・アレンがSETI@homeに寄付? - 分散コンピューティングに60W払えますか? - では地元の図書館をストレージ代わりにするのはどうだろう - わかめ - デスクリ素数10万桁突破・素数世界ランク500位以内に - 株式会社ウエ坊的嫌がらせはどうか - アインシュタイン@Home - cc-jp、ライセンス・FAQ公開へ

2004.03.30 *
前々からSETI@homeのような分散コンピューティングを「P2Pの成功例の一つ」と言われることに、違和感を感じていました。
 「これは巨大なサーバ・クライアントシステム」と思っていました。

 「じゃあNapsterはどうなる?」と聞かれると、

 「Napsterも巨大なサーバ・クライアントシステムの側面を持ちます。Napster社もSETI@homeを運営するカリフォルニア大バークレー校も、サーバとしての機能を果たすために、ネットワークや設備に莫大な資金を投じています。違うのは市場の役割だけをNapsterは果たしていて、取引が決まればクライアント同士で通信を行うため、その点ではP2Pの側面も持つと言えます。しかし分散コンピューティングではクライアント間で接続が行われることは稀ですからP2Pと言われるのには違和感を感じます。」と考えていました。

 森井教授よりメールにて教えていただきました。(ありがとうございます。)

 今までにある、世界中で何年も・何度も行われてきた、今までの分散コンピューティングプロジェクトから踏み出した、とても野心的な形になろうとしています。

 distributed.netでも、クライアントの吐き出す結果の信頼性向上のために、信頼の輪(web of trust)を導入する計画を2002年秋に語っていますが、実現には至っていません。


 ほぼ完全なP2Pとなりますと、サーバが落ちていても、jobが受け取れるようになる期待大です。
 ネットワーク帯域の利点の他、どんな利点,問題点があるのでしょうか。

 四月中旬登場予定の次期クライアントを楽しみに待ちましょう。


2004.03.27 *
素数探索プロジェクトでは、時々、クライアントソフトの進捗率表示(現在の%表示)が固まってしまうことがあります。

 こうなるとクライアントソフトを終了させても、計算自体を行っているProth.exeは解析し続け、言わばコントロール不能状態になり、解析を終了してもjobの受け渡しが行われず、OSを再起動するしかありません。

 この状況を改善するために、Proth.iniの一部を書き換えて、影で解析しているProth.exeを表に出してきて、手動でProth.exeを終了できるようにしましょう。


 念のため、素数探索プロジェクトのクライアントソフトを完全に終了させた状態で行いましょう。

 普段実行するクライアントソフトであるPUnion.exeが存在するフォルダの下にあるJFフォルダ。
 そのJFフォルダ内にProth.iniがあるので、これをメモ帳なりで開いて、isHidden=0となってるところを0から1に書き換えましょう。

 すると今後はPUnion.exeを起動する毎にProth.exeの窓が登場します。それが鬱陶しい場合はProth.exeのOptions→Tray Iconで、タスクトレイにPUnion.exeと並んで入れてしまいましょう。

 これで、クライアントソフトの%表示が固まっても、クライアントソフトを終了させた後、Proth.exeをStopさせて終了させれば、完全に終了することができます。
 その後、もう一度、素数探索プロジェクトのクライアントソフトPUnion.exeを起動しましょう。


2004.03.26 *
「おたく立国」ってマジ? (山形 浩生 asahi.com be on Saturday)
 一周遅れの話題ですが、最近、こちら方面の動きが活発。
 2003-06-01に書いたことについて、境 真良氏、ご本人からメールを頂く。(ありがとうございます。頂いたメールから拝見させていただく限り、境さんは、かなり濃い方です(汗)。今は経産省辞めて角川ホールディングスで東京国際映画祭事務局長されているそうです。)

 山形氏は、アニメ・ゲームはちょっとかげりが見えているという。
 6/1以外にも何度か妄言を垂れ流していますが、次に来るのは、ギャルゲー・エロゲーではないだろうかと自分は考えています。

 丁度、Kanon → Airとヒットを連発したkey(visual arts)が、アダルトを一切排除した新作CLANNADを4月に発売します。

 今までアダルト商品として日陰だったこの世界が、一般社会にも認知されるターニングポイントになれるのではないでしょうか。ちょっとまだ厳しいか。

 では、そのエロゲー ----いや もはやエロではないのだから、ギャルゲー,ノベルゲー---- を、立国とか産業として、どう日本が戦略的に取り組んでいくべきなのか,取り組む方法があるのか。

 比較的簡単で費用も掛からない方法として、英訳して、無料でばら撒いてしまえばいいのではないだろうか。

 海外進出においてアニメの場合、無料で見れる地上波放送がありました。
 しかし無料エロゲー,無料ギャルゲーというものはなく、元々この手のゲームに触れる機会がとても少ないです。
 まずは触れる機会を作るということから。

 世界のオタクパワーを借りて日本アニメの海外進出を(CNET 2004-03-09)によると、海外ではボランティアが自国語の字幕を日本のアニメに付けているといいます。
 (もちろんこれは厳密には法律上の問題があるでしょう...)

 海外のエロゲー市場というのは、軽く検索した限り、欧米圏にいたっては、ほとんど存在しない程、小さな市場のようです。
 膨大なテキストの翻訳はコスト的にもかなり嵩みそうです。

 元々ゼロに近い市場なら、海外市場育成のためには、英語での旧作公開なら惜しくはないと考えてもらえないだろうか。
 「日本人が無料ダウンして楽しむかも知れない」という懸念は、ノベル系に関しては膨大なテキストからいって、日本人が全部英語で、日本語版の代用にする可能性は低そうです。

 英訳するお金が無かったら「公開英訳プロジェクト」として、熱狂的なファンのいるkeyあたりのkanonの日本語テキスト群を公開してもらい、葉鍵板住人とか鍵っ子がそれを英訳して、英語版kanonでも作って、欧米圏で無料公開。

 「ファンの熱意」だけに頼るのが無理なら、「これは日本のエロゲーファンの社会的地位向上にとっても重要です」と説得したい。
 残念ながら日本では、海外で評価されると、途端にその文化・作品の価値を見直すということが往々にしてあります。
 もし日本で不遇の地位に甘んじているとお考えなら、自ら世界へ持って行って、世界で評価を問うてみるのはどうでしょう。

 と、言っても、流石に、超人気作では、こんな野心的なことは無理でしょうか。

アリスソフトが旧作の無償配布を解禁(slashdot日本 2003-04-13)
 エロゲーメーカーの雄、アリスソフトが発売10年が経過したようなゲームを配布フリー宣言している。
 大人気作Ranceシリーズも1〜3が、配布フリー宣言されている。
 凄いよ、アリスソフト。
 これを英訳するなんてどうでしょう。

   「※改造は一切禁止です」
 とありますが、
    以下の改変はしていただいてもかまいません。
      1:プログラムの最新OSへの対応
      2:エミュレーター形式への変換など
 とあるので、相談すれば、英訳集団作業&英訳版公開の許可が頂けそうな予感。


 最近、これはどう?/あれはどう? と言ってばかりで、数論に関することでも難しいことはNoharaさんに教えてもらうばかりで、自分では何も動いていないので、少し動きました。

 岡本かの子 「花は勁し」を青空文庫で公開するため、入力を終えて青空文庫側に送信しました。
 どなた様か校正者さんが見つかれば、校正をした上で公開の運びとなります。

 2年近く前に、青空での公開を目指して底本を調達するも、ようやく今になって具体的な行動となりました。
 4月から新生活で、これまでのように時間が取れるかどうか判らないので、それまでに。

 JIS X 0208で書くことになっているのですが、今出てる字が、JIS X 0208なのかどうかが判らない。
 適合しているのかどうかを確認する上で、結城浩さんの青空文庫の応援ページにある、文字コード取得ツールには凄くお世話になりました。


2004.03.23 *
ポール・アレン氏、探索に1350万ドルを寄付(毎日interactive 2004-03-23)
 ポール・アレン氏がSETI Instituteに寄付したというニュースなんですが、
 と、記載されていますが、SETI(地球外知的生命体探査) = SETI@homeでは、もちろん無いわけで、これはSETI(地球外知的生命体探査)ですが、SETI@homeではないはず。

 Yahooのニューストピックス グリッドコンピューティングにも、MYCOMの同ニュースが掲載されています。
 SETI@homeの知名度の凄さを改めて思い知りました。
 私自身、SETI@homeの話を聞くまでは、SETIという言葉自体知りませんでした。

SETI Instituteのリリース
ポールアレンの寄付で宇宙人探し専用電波望遠鏡が実現へ (Hotwired ロイター 2000-08-01/archive.org)

 サイエンス --それも国が費用を投じれば反対意見が必ず大きくなるような分野-- において、民間でスポンサーを見つけて運営していけるなら素晴らしい。


2004.03.19 *
牛の餌代(パソコンの消費電力計測)に、Celeron2.6GHz計測データ追加。
 処理中とアイドル中では、60W強、約2倍の差があります。
 これには驚いた。
 年間13000円。

メイン機またしても故障。
 前々からUSBに差すと、リブートする怪しさがあったのですが、突然再起動になり、そのまま電源を入れてもBIOSまでこない。

  「お前、何年・何回、4年前のPPGAマザーと格闘しとんじゃ」
 というご批判、ごもっともです。

 急遽、一番安いマザーと手ごろなCPUを選ぶと、マザーはJetway P4XFAになったのですが、ヤマダ電機で10480円。

 後で調べたのですが、これって、かなり古いものをかなり高く買ってしまったようで。
 急造とはいえ、最近の自作知識の弱さ故の失敗とはいえ、とほほ。


2004.03.18 *
地元の図書館をストレージ代わりに出来ないだろうか。
 と言っても、従来の借りるための書庫というのとは少し意味合いが違います。

 家に溜まり続ける本。
 一度読んで数年開いていない本,積読の本が、ここを見てくれるような人なら大抵100冊は越えているでしょう。
 いつか開く時のために置いていますが、空間は有限。不効率極まりないです。

 これらの本を地元の図書館に寄贈するのはどうでしょう。
 利用したくなった時、図書館に参照しに行く。
 今日の日記は、そういう提案。

欠点は、当然、時間・距離的に不便。
 図書館が開いている時間は限られていますし、家から近くないと厳しい。
 図書館側が寄贈を拒否するかも知れません。
 利用者数が多いためボロボロになり、貸与図書として不適切として廃棄される可能性も高いです。
 別の地域に引越すれば、ストレージとしては意味をなさなくなってしまうので、学生さん,転勤予定の人には向きません。

利点は、部屋の空間が空く他、データベース化・整理・管理は、向こうがやってくれる。
 探す手間が省ける。
 部屋や物置ひっくり返して捜すよりは、Inet上から検索して、請求記号を携帯にメールで転送して、図書館に出かけるほうが速いかも知れない。
 利用者数の多さによる傷み具合だって、マイナーな本なら、それ程大したことは無い。

 図書館への寄贈の状況・方法はどうなってるんだろう。
 「図書館」「寄贈」で検索するも、トップに馬鹿が引っかかって使えない。(2003-03-18現時点)

図書館に本を寄贈したことがありますか?としょかんのおはなし
 どこかの統計資料なのだろうか,それとも独自に、全国の市立図書館にアンケートを取ってまとめているのだろうか。
 もし後者なら、個人でここまでやるとは凄い。

 こちらを見ると大雑把に一割弱は寄贈が占めているようです。
 ほー。

 「市立図書館」「寄贈」で検索しますと、予約の多い人気図書(ハリーポッターとか)・郷土に関する本以外は積極的ではないようです。
 糞みたいな本だと、わざわざ寄贈するのは、こっぱずかしい場合も考えると、郵送か返却ポストにガコンと入れておくのも可能なのか等、気が向けば問い合わせてみたいところ。


2004.03.17 *
 君が、まだ若い頃、
 そうだ。
 distributed.netで少しでもチーム上位に行こうと、
 マシンパワーをかき集めるため東奔西走していた頃、

 分散コンピューティング クライアントを走らせると、わかめが貰える時代を想定したことがあるだろうか。

 抽選は寄与率変動型。
 私の寄与率は1%程なので、わかめは無理だろうか。

 素数探索プロジェクトはチーム制度は導入しないのでしょうか。
 ここまで完成されたstatsシステムがあると、いじるのは大変そう。

 その一方、クライアントのパーセント表示が固まってしまうバグに時々遭遇するようです。
 そうなった場合はOSの再起動を。


2004.03.16 *
19960809*2^334769+1 (100783桁 登録時445位)
 10万桁越えでの素数発見を目指して、指数330000から探索を始めたのですが、334769で見つかるとは。
 celeron533MHz Dualの片割れにて。
 指数330000からの探索を2/21から始めてですから、ついてました。


2004.03.12 *
 嫌がらせをしたい企業のWebサイトがあるとする。
 その理由は感情的なものでもビジネス上の戦略でもいい。
 法的問題が発生するリスク低く、スキル無し・お手軽に嫌がらせをして打撃を与えたいとする。
 どうすべきか?

 様々なドメイン,様々なデザイン・コンセプトで、その企業をさりげなく褒めちぎる臭い単発ページをいくつか作るのはどうだろう。

 その企業の名前で検索すれば、共に、一覧となって出てくる。
 その検索結果は歪さ・如何わしさを醸し出し、検索したその企業の顧客・潜在顧客に対して、故意に作り上げた如何わしいイメージを伝えられるのではなかろうか。
 個人消費向けよりも法人向け、Webサイトの企画・制作企業等の業種なら特に効果が大きそうです。

 この攻撃の良い点は、法的問題が回避できそうな点にある。(厳密にはそうならないかも)

 ただ単発の、ある時は経済ニュース調,ある時は女性の日記風,ある時はギャンブラー風で、悪意を微塵も感じさせない誉めるページを大量に作る。


 インターネットカフェから多数の無料ホスティングサービスでアカウント取得し、褒めるページを各サービスに作れば、民事では追跡困難。刑事では到底動かないのではなかろうか。
 少なくとも名誉毀損には当たらないように。

 ホスティングサービスに削除を求めても、ただ悪意なく誉めてるページが1ページあるだけでは削除されるかは微妙。

 とはいえ、現実に他の誰かに損害を加えるようなことを意図して、このようなことをしてはいけません。
 それに、これは「企業名によるネガティブSEOの方法」として国際特許を取る予定なので、ここに書いてあることを真似してはいけません。


2004.03.09 *
Einstein@Home
 World Year of Physics 2005(物理学の世界年2005)の一環として、2005年早期に開催予定。100万人の参加が目標。
 LIGO(Laser Interferometer Gravitational Wave Observatory カリフォルニア工科大学のレーザー干渉計重力波検出器)からのデータより、パルサーとして知られる中性子星が高速回転することで発する信号を探索する。完全な球形では無いパルサーを発見できれば、そのパルサーは特有の重力波を発するだろうと考えられる。その信号を捜す。追記:・カリフォルニア工科大のLIGO→アメリカのLIGO   ・完全な球形→完全な軸対称形 他記述修正

 要は、重力波の証拠となるような、完全な球形では無いパルサー星の信号を探そうというわけですね。

 自然科学系 研究情報 einstein1905.infoの真貝寿明さんに教えて頂きました。
 ありがとうございます。

 何故、アインシュタイン@Homeなのか。
 重力波はアインシュタインが相対性理論によって予言するものの、まだ間接的にしか存在が確認されていないからだそうです。

 どう間接的に確認したかというと、1974年に、連星パルサーの公転周期の軌道が短くなっていくことが観測されたのですが、この原因として、連星の回転エネルギーが重力波となって外にもち出され、連星の軌道が少しずつ内側に入り込んでいるためと考えられたことからだそうです。
 ちなみに、この発見をした人は、これにより1993年にノーベル物理学賞を受賞。

 余談ですが、最近、いろいろ調べ物をしていて、本当に驚くのはフリー百科事典Wikipediaの威力。
 日本でも、ここまで様々な知が集結して便利になるとは。
 書き上げ,編纂されている方々には感謝の言葉もありません。


2004.03.06 *
19960809*2^165691+1(49886桁)の素数発見。
 登録時は3987位です。
 celeron533MHzでも、なんとかなるものです。


2004.03.03 *
クリエイティブ・コモンズ・ジャパン日本法準拠版ライセンス日本法準拠版FAQ公開。
 おめでとうございます。
 ご苦労様でした。
 ありがとう。

 当方でのcreative commonsへの取り組みについては、各方面のプロの方々が真摯な姿勢でクリエイティブ・コモンズ日本語化への問題に挑んでくださっている現状を鑑みますと、当方のレベルで行うべきことは乏しいと判断し(もちろん、もし出来る事を思いつけば今後も行いたいです)、また、まだ日本で誰も余りやっていないような分野の紹介・案内にこれからも注力したく、今後、当方の取り組みは縮小致します。
 なんか硬い場面の答弁みたいで恥ずかしい(笑)

 問題は無いと考えていますが、不満や反対意見などありましたら、メールでも掲示板のほうにでも書いてやってくださいませ。
 もちろんページ群は、今までどおり残したままです。

掲示板での素数探索に向いたパソコンの話は面白いです。
 Noharaさんは、本当に凄い。
 NewPGen.exeの更なる詳細マニュアルまで作っていただきました。
 いずれ公開させてもらいたいと考えています。
 こちらの能力・時間的問題で皆さんに追いつけず、自分でも歯がゆいばかりですが、遅いながらにも進んでいきたいと考えていますので、ご容赦を。
 これからもよろしくお願いします。


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