的日記


2003.3.31
MODチップ無しのXboxでLinuxを起動(Slashdot日本 2003.3.31)
 市販ゲームのセーブデータ取扱部分にbuffer overflowをかけコードを実行させLinux起動に成功。
 これで実売20000円+5000円(市販ゲームソフト)で、TVに映るLinuxパソコンに。
 うまく行けば、TVがようやく買えたというのが平均収入の国の人々に、安価なPCを提供することが。
 もう少しスマートなやり方だと嬉しいところですが、それでも、Xboxが欲しくなる。

 Xbox無改造ハードで無署名のコードを走らせることに10万ドルの賞金をかけたXbox Linux Award
 あくまで起動するCD-ROMのイメージを作らないと駄目なようで、今回は賞金が得られる可能性はかなり低いようです。

せち日記 2003年3月15日(荒川靖弘さん)
 3月14日に取り上げた、folding@homeについての「SETI@homeの影響で開始された生物学プロジェクトが最初の科学的成果を発表」(惑星協会 2002.10.28 日本語訳)
 これは、伝統的に犬猿の仲らしい、カリフォルニア大 x スタンフォード大という関係が背後にあるという見方ができるらしい(笑)

 なんとローマ法王が、SETI@homeのUsers of the Dayに選ばれている。(同3/23)
 User of the Dayは、1000result以上送信した人だけが選ばれる仕組なのですが、ローマ法王、既に2097resultも送信してる。


2003.3.30
Generalized Fermat Prime Search
 素数の探索は、戦争中は一時中止されます。
 素数の探索は素晴らしいプロジェクトです。しかし、自分達が文明の頂点であると考え、脅威(脅威下?)で無い人々を故意に(deliberately:故意に,慎重に)殺し彼らの都市を瓦礫と化す若干の者達の振る舞いによって、その素晴らしさは影を投げかけられる。
 もしあなたが素数の探索を続けることを望むなら、まず今日なされるべき最も重要なものごとに寄与して下さい。:戦争を止めなさい!

 普遍的な形のフェルマー数から素数の発見を続け、先月には遂に世界で5番目に大きい素数を見つけたGeneralized Fermat Prime Search(以降GFPS)、3月26日に363969桁の素数357868^65536+1を見つけたというリリースに続いて、この表明を行い、現在、ダウンロード・statsなどが利用不可です。

 GFPSはWebページは全て英語のみでもhttp://perso.wanadoo.fr/yves.gallot/primes/というURLからフランスの方により運営されていることが推測できそうです。
 英語ページのみという点から、恐らく参加者のかなりは英語圏(アメリカ・イギリス...)の人々と思われます。

 参加者は今までの素数発見の実績に加え、「素数探索にシンボル的な賞金をかけることは、科学的な思考を歪めるものだ。私は賞金を要求しない。全てのお金は参加者に。ただ私のプログラムなので、私の名前だけは残して欲しい」というプロジェクト運営者の姿勢に惹かれて参加した人も多いでしょう。

 EFF(電子フロンティア財団)は、1000万桁の素数を発見したら10万ドル(約1200万円)という賞金をかけています。
 GFPSは自ら数値入力できることから、自分だけのラッキーナンバーな値を入れて、1000万桁素数一本釣りを目指している人もいるでしょう。
 幸い、結果は自分で確認でき、手動でメール送信するタイプだったようなので、最悪の事態という状況には陥らないように見えます。

 プロジェクト運営者と参加者は共に相互依存関係を持ち、信頼関係により維持され、信頼関係を可能な限り維持すべきだとしたら、
 参加者に事前に断りもなく、突然、プロジェクト運営側の信条により、プロジェクトが停止するという今回のプロジェクト運営側の決断には反対です。
 という意見は私の中に強くあります。その一方、

 世界中の様々な考えの人々が、様々なプロジェクトを立ち上げます。
 その中には、今回のような「この戦争に反対する。戦争を止めろ。止めるまでプロジェクトは停止する」という信条により、自らが運営するプロジェクトを突然停止させてしまうプロジェクトがあるのも、参加者としてはたまったものではありませんが、これが世界の多様性の面白さとして捉える不真面目(?)な面も。

 しかし戦後、プロジェクトが再開しても、参加者との関係の修復は容易ならざるものが。
 英米の参加者は不快感を持つ人が多いでしょうし、英米外の参加者でも、何かある度に止まるのでは困ると、そっぽを向いてしまいそうにも。
 賞金全額不要な姿勢に惹かれていた人も、クライアントソフトが外部であることから、自分一人で黙々と解析するような道も。
 でも、この姿勢に好感を持ったフランス・ドイツからの参加者は逆に増えるでしょうか。

 私個人は17orBustでGFPSを追う立場だったのですが、こんな時に、もし素数を発見してGFPSを抜けたとしても、これは嬉しくない。

 余談ですが、今回、本日の日記を書くに当たって、GFPSのクライアントソフトについて調べようと、ダウンロードページを見ようにも消えていて、Googleのキャッシュから別サイトからダウンロードするファイルのURLを見つけて行ってみるも、そちらも既に「403 - No War In Iraq」

 どうやら戦争支持国からのIPのみ、別ページに飛ぶようです。
 その別サイトの「403 - No War In Iraq」には、ショッキングな写真が含まれていることを予め告知しておきます。
 適当な公開PROXY(例えば211.185.47....:80。Proxy Speed Top30から見つけたのですが、こちら韓国のようだけどOK)を経由すると、本来のページの閲覧が可能です。

 「脅威で無い人々」と訳すべきか「脅威下で無い人々」と訳すべきなのか迷い中です。
 今、原文は更新されて、ちょっと文面が変わっていますね。


2003.3.29
週刊文春のcell computing広告記事は、レイアウト以外はTITLe誌と同様のものでした。
 プロジェクト終了予定に合わせて,あるいはプロジェクト延長決定で広告?

 最近メディアへの広告露出が激しいです。
 cell computingフォーラムでの情報によりますと、NTT DATA全体のものでも、以前触れた3/23朝日新聞の広告,フジテレビ3/15(土)PM9:00のバイオ・DNA関連の特番でもスポンサード,Yahoo!ニュースには、直接利益をもたらすことのない先見日記のFlash広告が。
 NTT DATA全体での年度末の予算消化?

OOエンジニアの輪! 第20回 高林 哲さんの巻 (オージス総研 オブジェクトの広場)
 面白い。
 こういう、テキスト上から見られる人々への洞察の鋭さは、日本語処理をやられる方なら、持つものなのだろうか。
 その洞察の鋭さがQuickMLのZDNetの記事を読むと成果にもなっているように思う。

 私は、若年寄症候群だ。もう若くもないしエンジニアでもないが。
 無理だ,困難だ,難しい,厳しい、新しい試みに、こんなことばかり言っている。
 で、何かの役に立っているかを鑑みると、それ程でも無い。
 いかんよ、これは。いかんよ、これは。

 最近、興味のある方のwebページのテキスト系(日記・blog・ニュース)が似通っていることにも歪さを感じていました。
 10年程昔、パソコン通信の頃、Oh!X誌に、
 というのを見て納得したものですが、その上に均質化までしているように。
 コミュニティは自然とコロニー化の面を持ち均質化するのだろうか。


2003.3.28
Google、Toolbarの分散コンピューティング機能を実験的に公開 (impress Watch 2003.3.27)
 Google Computeが始まった。
 ブラウザ上から「はい」押すだけで、インストール・実行する気持ち悪さで、10秒でアンインストールしてしまったけど、wintopによる使用率の調査だと、確かに解析していた。
 スクリーンショット取るため再度インストール。
 コンフィグもブラウザ上でやるのですね。

 記事中、面白いのは、以前から言われていた他のプロジェクトだけでなく、Googleのサービス向上に使用することも検討中という。
 Grubクローラーのgoogle toolbar版が登場するのやも。

 その際、Googleは参加者に何らかの特典を与えるでしょうか。
 過去のGoogleのユーザーとの接し方から見ても、金銭的な物は考えにくいです。
 自分の最新のページをGoogleに反映させられるぐらいでしょうか。
 Folding@homeへのGoogle toolbarでの参加実績を見て、どれくらいの人々にGoogle toolbarクローラーが受け入れられるかの調査も兼ねているのやも。

TITLe 2003年5月号(文藝春秋刊)に、cell computingへ取材を行っている広告記事が4P。
 この雑誌、Numberの姉妹誌らしく男性誌の本棚に置いてあったが、スイーツ特集。謎。
 cell computingフォーラムの情報に寄りますと、週刊文春にも出ているようです。

 cell computingは最初からそうですが、参加者への金銭的支払いをゴールに据えています。
 プロジェクトメンバーは8名。セレストのデザインもデザイン事務所に頼んだわけではなくプロジェクト内(!)で

 プロジェクト・リーダーの人間面にも迫っていて面白かった。
 最近思っていたものの一つに、cell computingにも不定期でもblog(一般向けの開発者日誌)のようなものがあると、もっと運営されている人々の面白さが出て良いように。
 「良い」というのはビジネスとしては不明だけど、プロジェクトとして親しみを持てたようにも。

 今、cell computingのトップページを見て、人を惹きつける魅力というものを感じないです。
 参加者への支払いモデルを、  とありますが、他者のビジネスモデルの確立に興味を持ち無償で協力しようと考える人がどれだけいるだろうか。
 ビジネスモデルに共感しても、将来のために、今、無償協力しようと考える人が、支払いモデルに共感する人にどれだけいるだろうか。

 参加者にもプロジェクトのゴール(目標・目的)が見えません。
 他の参加者を集めているプロジェクトには、宇宙人探しというロマン,そのロマンの後ろに天文学の素晴らしさを人々にアピールしようという強い意思を持つ天文ファン,暗号解読で賞金という明確なゴール・射幸性,解読できた時ニュースメディアにも取り上げられ勝者が祭り上げられる興奮,アカデミックな機関への協力,難病の新薬開発という目的...等がありましたが、こういったプロジェクト内容に関するゴール(目標・目的)ではなく、「今は支払えないけど、支払いビジネスモデルの確立へ」で参加者の関心をつなぎ止めておくのは難しいです。

 各プロジェクトの進捗率(例:**番染色体の85%解析済(1次探査),15%解析済(2次探査))のstatsでの日刊あるいは週刊レベルの動的表示やユニットデータに関する情報表示により、参加者にプロジェクトの色々なゴールを見いだせるようにすれば良かったように。

 そもそもcell computing側も、現在、人を集めることへの優先順位は低いのかも知れません。
 構想にあるような額のお金を支払うモデルを確立できれば、今、頭を悩ませなくても、人はきっと来るのでしょう。
 現在はその仕組みを作るための社会へのアピール・宣伝であり、記載している通り実験でしかなく、それほど人集めに注力する必要は無いのかも知れません。
 しかし、それは参加者としては寂しいところ。


2003.3.26
コミック版:クリエイティブ・コモンズのライセンス解説(結城浩さんによる翻訳)
 とても判りやすい。
 翻って当方の情報サイトは、始めての人への判りやすさという姿勢を失っているのは問題。

エコールの動きが激しい。
 PCタイトルプロジェクトG、2003年夏発売。
 何故、画像ファイルはBMP。

 BP6、やはり今日も落ちていた。
 もう単騎で駆動。
 でもすぐに落ちた。
 嗚呼、もう駄目ですな、これは。

3月22日に取り上げたCNETの海外記事をZDNetが翻訳
 「geek factorがあるのはSETI@homeで、grubには疑わしい」と逆のことを語っていましたね。
 attractorをしっかり訳さないまま流し読みした私のミスです、すみません。

 昨日発売の日経サイエンス誌2003年5月号に、ちょっとcreative commonsについて載ってるらしいです。(雅浩さんいつもありがとう)
 本日、見てまいりましたが、Scientific AmericanのSome Rights Reserved Cyber-law activists devise a set of licenses for sharing creative worksの邦訳記事のようです。


2003.3.25
Going Dutch: The Honest Thief's Payment Model (The Honest Thief 2003-03-12)
 The Honest Thiefのファイル共有ビジネスモデルは、一部オランダの補償システムに基づいていると、IFPI(国際レコード産業連盟)に支払う構想をリリース。

 同プレスリリースによりますと、オランダでは1972年に家庭でのコピーに対して補償制度ができたそうです。
 これは当初、生カセットテープに適用されていたそうですが、最近はCD-Rにも適用されるようになったそうです。

 これに限らず様々な直接・間接の補償制度があるからとして、「だからファイル共有にも」というのには無理がありそうですが、以前の野心的な -- というより牙を持った野性的な -- 「アーティストに直接金を払って、レコード会社の生命維持装置を引きちぎるぜ」という面を引っ込め、少し現実的になってきました。

 IFPIは受け入れるだろうか。
 そもそもIFPIに支払えば済むものなのだろうか。

 オランダの法律は不明なので同リリースに頼るしか無いのですが、1912年から家庭での使用のための複製(私的複製)は日本などと同じく合法とされていたそうです。
 合法であった私的複製に補償をしようという概念(法律)は後から出てきたもので、故に、カセットテープ・CD-Rへの課金による間接的支払に業界団体との合意が得られていたとしても、P2Pファイル共有は、見ず知らずの人への複製という元々、違法な行為。
 援用するには厳しいところです。

 「IFPIが歓迎しようか否かに関わらず、我々の提案を考慮しなければならないだろう」
 とのことですから、The Honest Thief側も、波紋を投げかけることに意義があり、実現は内実、期待薄に思っているようにも。

 恐らく、IFPI側は、突っぱねるでしょう。
 そもそもIFPIにそこまでの許諾を与える権限があるのか不明です。
 IFPIが加盟各国の権利管理団体をThe Honest Thiefのために取りまとめてくれるよう奔走してくれるとも思えません。

 しかし、現状は、音楽業界からすれば悪夢のような状況が続いています。
 コピーされる曲数の多さもさることながら、
 これらP2Pファイル共有サービスの利便性を彼らは提供できずにいます。(金銭支払の必要無しはともかく)

 中央サーバを持たない完全なP2P時代が到来している中、もうサービスを停止させることはできず、何処かで落としどころを見いだし、いずれP2Pファイル共有と共存する時代が来ることになりそうです。

 実験として期間限定でも、The Honest Thiefに、支払いを条件にP2Pファイル共有を認めてみて欲しいところ。
 認められれば、The Honest Thiefの知名度・信用性も格段に跳ね上がり、顧客企業を見つけられる可能性も。
 音楽業界側としては、支払いを行う合法なファイル共有の道を1つ、社会に提示できる。

 とはいえ、きっと許諾を得るのは無理でしょう。
 では、認められない場合The Honest Thiefはどうすべきだろう。
 個別にアーティスト,レコード会社と交渉・契約して、支払いにより認められた、やり取りできる曲名・曲数限定,電子透かし・他環境への複製防止機能搭載データ形式で、ファイル共有サービス兼分散コンピューティングを運営するしかないでしょう。

 レコード会社から認められた限られた曲の,レコード会社から認められたデータ形式しかやり取りできない仕組みでの運営。
 もはやP2Pである必要が無い、P2Pファイル共有サービスとしては史上最低のサービス内容で、他のファイル共有サービスのように何百万人・何十万人も集まらないでしょうが、ここから始めて行くしかないように見えます。
 参加者は利便性よりも、「誰に咎められることも無い合法P2Pファイル共有実現への一歩を」という思想・理念で参加してくれるような数少ない人々が中心でしょうか。

 レコード会社は参加するでしょうか?
 管理された曲だけを提供できる,ドル箱アーティストの曲を提供する必要は無く、新人などで話題づくり・プロモーションも兼ねて提供する。
 ただ提供形態がP2Pというだけで、ユーザーを合法サービスに留め、支払いも受けられる。

 処理能力の顧客企業が見付からず、慈善色の強いプロジェクトをまず非営利運営するなら、それに協力するという形で、株式と交換に楽曲を提供してもらうという道も。(こんな会社の株、きっと紙切れだが、楽曲提供側も金銭的価値を生み出しにくい新人とかを提供するのだから、支払うという形に拘るために)
 商業ベースでなく自らの作品のコピーを歓迎するような--creative commonsのライセンスを使うような--音楽家の作品を共有する道も。
 サービス提供内容では、既存のものには絶対勝てず、理念で行くなら、この運営形態も数少ない参加者に受け入れられるように。

 こうなるとP2Pであることを除けば、奇しくもcell computingのデジタルコンテンツで還元という形に似通りそうですが、提供する側としては、悪い話ではないように見えます。

 幸い、The Honest Thiefは、名前と口が悪いだけで、まだ違法性の高いサービス提供は行っていない模様。
 今からまともなビジネスマンの振りをするんだ。

 オランダとなると、気になるのはDutch Power Cows
 RC5-72では、ダブルスコアで2位を引き離すと圧倒的です。
 彼らが、The Honest Thiefにどんな対応を行うのか興味深いところです。


2003.3.24
OperationProjectX、もう4000人超えてる。

cell computingフォーラムでの情報によると、cell computingに直接触れているのかは不明ですが、朝日新聞に「新しいビジネスモデルの創造」といった感じでNTT DATA社が一面広告を出しているそうです。
 当方の地元版には掲載されておらず。
 企業向け広告なら、東京だけなんでしょうかね。

昨日、DualマザーBP6のEC10問題を取り除くため、電解コンデンサーを16V 100μFから16V 2200μFに換装。
 ところが、それでもまだ時々落ちる...粗悪な古過ぎるメモリを載せたからだろうか。そのメモリを取り除いて再度テスト中。


2003.3.22
LookSmart、分散コンピューティングで検索強化へ (ZDNet 2003.3.22)
 リアルタイム検索エンジン構築プロジェクトのgrubを買収。

 grubは、出てきた当初、最も人集めに困難なプロジェクトに見えました。
 人々の関心を惹けないネットワーク調査系,肝心の検索エンジンはメンバーにもまだ未公開,既存同種プロジェクトで参加者になんらかの金銭的報酬を支払うプロジェクトがある(あった),ビジネスを標榜しながら参加者への還元姿勢には消極的。

 オープンソースである点を除けば、運営方針が他者と比べ見劣りしていました。
 現在参加者は130人程(リアルタイム)です。

 このgrubを検索・ディレクトリサービスのLooksmartが買収。
 他の検索エンジンには無い更新頻度の高さを、一般参加型分散コンピューティングで構築しようと4月からプロジェクトをスタート。

 Inet上全文書の毎日巡回が目標として、参加者をどれだけ大量に集められるかにかかっていると、LooksmartのCTO。

 では、どれだけの人を集められるのでしょうか。
 CNETの報道(海外)では、「直面する真の壁は献身的な参加者を参加させられるかにかかっている。それが可能なgeek factor(コンピュータおたく受けする要因)を持っている」と、Sagezaという情報工学分析企業の研究部長は語っています。

 参加して得られる結果は、今現実にサービスを提供している検索サービス企業という点からして、ダイレクトにインターネット上の人々が享受できる形になるのでしょう。
 検索エンジンの重要性については皆、理解しているでしょう。
 googleに頼り切る、google麻薬の中毒症状に危機感を感じている人も少なからずいるでしょう。

 とは思うのですが、じゃあ、それを構築するためにどれだけ人が来てくれるか....
 今までのネットワーク系プロジェクトは、金銭的報酬を支払わない限り、集客には失敗しているようです。
 そもそもネットワーク系プロジェクトでは、金銭的報酬を支払うのが当然という状況が続いています。

 人々はgoogleのように、タダで高い性能を持つ検索エンジンを利用することに馴染み過ぎています。
 構築のために、何らかの負担をしてあげようと思う人がどれだけいるだろうか。
 編集・ディレクトリサービスをMSNに提供しているそうですが、商業ベースで、参加者に支払わない姿勢を維持し続けるのか。
 それが許されるのか。
 それが許される程、このプロジェクトに魅力はあるのか。

 私自身は、このプロジェクトにgeek factorは乏しいと見ているのですが、プロジェクト開始即座に、不完全なクロール状況からでも、リアルタイムな検索エンジンを利用できれば、その性能・可能性に魅入り、参加する人も多く出てくるのやも。


2003.3.20
デジタル著作権 (デジタル著作権を考える会:著 牧野二郎:編 ソフトバンクパブリッシング 2800円)
 弁護士・大学教授からTV局の人間まで、複数人による寄稿集のような形の本で、興味のあるところだけ読めるのですが、

 オープンソースに関する項で、インターネット上では『著作保護期間が終了しても著作者人格権が残るから日本にパブリックドメインは存在しない』といった議論があるが、日本でもパブリックドメインの概念はあり判決にも盛り込まれているという記載が。
 著作者人格権は残ったままでもパブリックドメインと言ってしまうとは。
 ってか、後で見てみたら判例100選のトップがこの裁判ですね。
 著作者人格権は、公表権(18条)・氏名表示権(19条)・同一性保持権(20条)。

 creative commonsにとって重要なのは、氏名表示権(19条)・同一性保持権(20条)。
 creative commonsのAttribution(原作者の名前を入れる)と、No Deribative Works(派生的な作品は不可)の選択権が、「パブリックドメイン」と日本の法律家が言った状態でも存在することに。

 ところがcreative commonsはパブリックドメインについては、著作権にまったく例外を作り上げませんとか、何も所有されず、全てが認められますと、完全に自由にしていい状態と定義。

 日本の法律家(裁判官・弁護士・法学者)が「パブリックドメイン」と言ったとしても、creative commonsのパブリックドメインとは違うものに。

 「パブリックドメインはコピー自由だけど、作者名表示が行われ,作品の改変からは守られる」
 と、日本の定義で考えて、creative commonsで「Public Domain」を選んでしまったりするような混乱が起きなければ良いけど...(日本の法律家は、ほとんどこの「パブリックドメイン」という言葉を国内の事例においては使わないようですが)

 何故、こんな違いが生まれてしまったのでしょう。
 アメリカには著作者人格権の概念が元々無いため、著作財産権の消滅=パブリックドメイン=完全な自由
 という形が成り立っているようです。
 ちなみに、著作者人格権はヨーロッパにもあり、ベルヌ条約にも定義(6条の2)され、無い国のほうが少ない模様。

 本日より、amazonアソシエイトを導入しました。
 当サイトからamazon.co.jpでお買い物をして下さいますと、ゲス野郎であるわたくしめに何%か還元されてしまいます。ふえっふぇっふぇっ。
 不愉快な場合、当リンク先ではなく別途、お気に入りのページから行って、お気に入りのサイトさんを支えられることをお薦めします。
 知らずに不愉快な思いをさせてしまわないよう告知です。

 最近、本を読んでいないので、本を読む一助にでもなればと導入を決定。
 私の紹介するレベル(質・量とも)では到底お金が溜まるとは思えないですが、少しでも溜まった場合は、自分で読むために使おうかと思っているのですが、もっと面白い使い道がありましたら、言ってやって下さいませ。


2003.3.18
Operation Project Xは、もう2700人(Xbox Statistics(Beta))

Xbox暗号解読プロジェクト、Linux版クライアントリリース (ZDNet 2003.3.18)
 ZDNetは、このニュース好きですね。
 何度かZDNetの日刊アクセスランキングTop30に顔を見せたこともあり、ページビューを稼げるネタと判断しているのか、ZDNet/JAPAN発で、細かなことまで発信している。
 くどいようだが、これからもエコールをよろしく。

 逆にimpressはcreative commonsが好きですね。
 iNTERNET MAGAZINEといえばこんなのもあった。

 そのエコール、レインディア復活って、またギャルゲーやるとは。
 ひー、こんなの買うの恥ずいよ。


2003.3.17
cell computingが、5月1日から一般参加型でビジネスフェーズに入るという予想(噂ではなくあくまで推測)があります。
 私自身はその可能性はかなり低いと思っているのですが、今日は、私もその説に乗って、色々と妄想を。

 まず、「何故、延長決定が行われたのか?」の有力な説明に。
 一度終了して人々が離れてしまうより、延長して次のフェーズに参加している人々をそのまま移行することが容易に。

 では、プロジェクト内容は。
 これは以前から挙がっているゲームあるいは映画のCG動画制作が有力に見えます。
 現在のcell computingは2TFLOPS相当だそうですが、top500で30位台。
 一般の膨大な数のPCを繋げた世界唯一クラスの処理能力というアドバンテージは有りませんが、レンダリングなどでは、そこまで必要か疑問も。

 参加者への本格的な還元システムは、恐らくまだ始まったばかりで構築するのは困難に見えます。
 参加者へは、その作品のデジタルコンテンツ(壁紙,サントラ,レンダリングの模様,レンダリングにより生成された画像データ自体)を提供する等といった形に。
 宣伝・販売要素も兼ねられる点から、作品制作企業がインターネット上での販売チャネルを持つなら、完成作品自体の値引きor没CG動画集のような+αな特典,没CG動画DVD単体での実費に近い廉価での提供なども。

 シームレスに新しいプロジェクトにクライアントソフトは移行出来たとしても、既存参加者のかなりは意義を見いだせず離れてしまうように思えます。
 参加者はゲーム・映画ファン一般と共に、集客のチャネルには、作品制作企業に多くを頼る面も見せるかも知れません。
 作品・制作企業のファンに呼びかける形に。

 その一方、cell computing側では、現状の10000台参加でも10万台参加でも、人的コストはそれ程変わらず、2TFLOPSのスーパーコンピュータのレンタル代としてはコスト高になる可能性も。
 こんなプロジェクトが万が一にも実現できたとしても、まだまだ、テストフェーズでしょうか。


2003.3.15
YES-10さんのCELLタワーセルコンピューティング team Yes I can
 地震列島日本でこれは強烈。
 まるで隙間家具のよう。

s-yamaさんのマシンギャラリー (同チーム)
 マザー、机に張り付けてる...
 みんな省スペース化に苦労してますね...


2003.3.14
 昨日触れたNTT DATAによる動画でのcell computingの紹介は、ただcell computingの分散コンピューティングシステムを紹介しているというわけではなく、企業内向けに、このようなライフサイエンス・CGレンダリングのようなアプリケーションパッケージを提供していきますよ。
 という部分に紹介の力が入っていたのが、興味深い点だったように今更ながら。

Xbox Linux Project日本語訳
 やはり、2048bit公開鍵暗号に関する記載は見られないですね。
 本当にこれ解読して、Linuxが動くようになるのか一抹の不安が...そもそも解読は困難ですが...

Signals to be rechecked in alien hunt (MSNBC 2003.3.10)
 SETI Instituteの人とPeter Ward氏(RARE EARTHの著者。肩書きは古生物学者となってる)が討論している番組の動画が閲覧可能。

 RARE EARTHは、セーガン的な、この銀河に宇宙人は多くいるはずという考えを真っ向から否定している本でして、銀河の中心部付近は星が密集し過ぎていて生物には適さない,銀河の端過ぎても物質が少なくてまともな星になれなくて駄目(確か),木星の存在が無いと隕石によくぶつかって文明が発達しない...と、困難な条件を色々と挙げていって、知的生命が存在する惑星は地球以外に存在しても、この銀河に無いか、あったとしても1つか2つだろうというものです。

 私自身もこの本は読んでるわけもなく、米ABCの番組で昔に見ただけなのですが、
 RARE EARTH、邦訳されないのかな。

SETI@homeの影響で開始された生物学プロジェクトが最初の科学的成果を発表 (惑星協会 2002.10.28 日本語訳)
 BOINC下のプロジェクトか?
 と思いきや、folding@home。

 「SETI@homeの影響で開始されたプロジェクト」と書かれるとは(笑)
 d.net立ち上げメンバーで、Cosmで働くためd.net代表を辞任したAdam Beberg(Duncan)氏。
 そのCosmのシステムをfolding@homeが使っていることからしても、SETI寄りではなく、d.net寄りに見える。
 そもそも、d.netのほうがSETI@homeより先なので、SETI@home自体こうなるべきであろろろろろう。

distributed.netの影響で開始された電波天文学プロジェクトが有望な信号を100個以上発見。再調査へ

 ...虚しい。
 そのd.net、clientソフトの更新が最近激しく、更に様々なOS・CPUに対応
 RC5-72は100日で、0.011%


2003.3.13
NTT DATAサービス&プロダクト:ショーケースにて、動画でのcell computingの紹介が。
 冒頭、仕組みについて捲し立てられると、圧倒されてしまう(笑)
 動画では、まずビジネスとして始動する予定の企業内余剰能力活用の解説に力を入れていますね。

 やはり、実証実験の期間延長は嬉しい。
 日本で「やってみたこと無いけど、何かやってみたい」という人誰にでもお勧めできる。
 もう英語も読まなくていいし、日本語のOSは想定していないなんてこともない,文句があるなら日本語でダイレクトに投げかけることができる。
 急造仕立てのPCばらしてメモリ取る算段してたけど、メモリ買ってこよう。

一般企業にとってのグリッド・コンピューティング(4) なぜ,企業システムへの応用は難しいのか?(上)(日経BP 2003.3.13 要:登録)
 5%並列不可の部分があるプログラムを、1000台のコンピュータで、100秒間処理するとなると、
 1000台投入して20倍の処理能力。
 当たり前のことだけど、あぁなるほど。

 SETI@homeも、開始当初、全ユーザーに同じwork unitばかり配っていることが発覚し大問題になったことがありましたが、あれは提供するwork unitの加工が追いつかず、そうなっていたと語っていました。
 OGRの最終結果公表が遅れてるのもこんな感じなのだろうか。

 cell computingがBOLEROの中間報告をサクサクっと出したのは、それが可能であるプロジェクト内容を選択したのかも知れないけれど、私は簡単にこういうことをもっと他のプロジェクトもするべきだなんて言ってますが、凄いことなのかも知れない。

では何故cell computingは人々を集められないか。
 プロジェクト内容が一般の人々の関心を惹きにくいことに加えて、「困ってる人の顔が見えない・浮かばない」という点もあるように。
 これが人々の心に触れられない点にも。

 SETI@homeは、電波天文学でSETIに人生のかなりを捧げてきたという、これまた日陰の人達(と言っていいでしょう)でした。
 ちなみに日本では公的・大学の研究機関でSETIをやっている所は無いと聞きました。
 NASAは手を引き、それでも民間の基金などで細々とやっている。
 そんな彼らが、解析に使うコンピュータなんて無いからと、皆に頼んだ。
 UDは、がん・白血病と、かなりの人々にとり周りにその病気の被害者がいるテーマでした。

 そういう困ってる人の顔が見えないというのが、二大プロジェクトのように集客できない点の一つのようにも。

Operation Project X
 Neoから移管されるような形で、Xbox2048bit公開鍵暗号の解読に挑む。
 試しに走らせてみるも、よくExplorerが落ちるように。(Win98環境)。

ブロードバンドのコンテンツはなぜ足りないのか? (週刊アスキー 歌田明弘の地球村の事件簿 2003.3.11)
 The Founders' Copyrightについて、“アメリカ建国者の著作権”と記載。

 つい先日にも、2003.1.9の日記でも取り上げたcreative commonsのThe Founders' Copyrightを「創設者の著作権」と訳しているのが駄目駄目訳だという問題について、雅浩さんから、「アメリカ建国時代の著作権」という御提案を頂きました。(ありがとうございます)

 「アメリカ建国時代の著作権」のほうが適格に内容を表現していると思います。
 その一方、「アメリカ」という一地域が文言に入ることで、ユニバーサルなイメージが薄れてしまうことに若干の抵抗も。
 内容自体は、完全にアメリカ建国時代の著作権期間の再現という代物で、何を今更「ユニバーサルなイメージ」とか言ってんだ、な感じも。
 皆様のご意見も聞かせて頂ければ幸いです。


2003.3.11
cell computing、UFOが見えてきた
 ところが延長決定

 cell computing自体のアピールが、やはり初期の予定の半分である3ヶ月では短いという判断でしょうか。
 グリッドが世間の注目を集めるものの、まだ厚い雲の中でよく見えないという状況下、判りやすいグリッドの形の一つとして人々に提示できる,この時期に辞めてしまうのは勿体ないという判断なのやも。

cell computing大規模実証実験の研究成果の取り扱いについて (cell computing公式サイト:大規模実証実験とは)
 cell computing側の苦悩が読みとれます。
 と、同時にこれは参加者にとっても、「じゃあどうすればいいのか」となると、まとまることは難しいようにも思います。

 数学系のプロジェクトと違い、通常の研究においてはHPCは前段階研究に多用され、その後、膨大な手間と費用をかけたステップを踏んでいくため、cell computing側で、最終成果物に対してまで影響を及ぼすことの難しさ。
 特に今回は、かなり基礎研究レベルのもののように見受けられます。

 こういった問題を避けるため、アカデミックな方面や,公的研究期間とのプロジェクト立ち上げという方向性があったと思うのですが、何故、そうしなかったのでしょう。
 共に、掛け合ったものの、プロジェクトとしては成立しなかったのだろうか。
 あるいは将来の商業化のため企業へのアピールという観点から、企業内研究に的を絞ったのでしょうか。


2003.3.9
昔、極一部で流行った、GTA(Grand Theft Auto)という、これぞ洋ゲーな、都市でのバイオレンスもののゲームが無償配布になったので、試しにダウン・インストールして遊んでみたら、酔った。
 操作性もキーボードでは悪いように思う。
 この作品への日本ゲーからの回答が、Crazy Taxiだったんだろうか。

 k*2^n+1で素数を探すSeventeen or bust、今は10223*2^3059069+1を解析中。
 n値が100万を超えたのは11月末〜12月始めでしたか。
 見付からない状態が続くなら、Astropulseが始まれば、そちらに移ってしまいそう。


2003.3.8
ミュージシャンに「ThankYou」するP2Pソフト (ZDNet 2003.3.7)
The Honest Thief’s ThankYou Software: Free Music Downloads AND Money for Musicians (The Honest Thief - ThankYou2.0プレスリリース)

 昔に計画されていたGnutella Powerのように、ファイル共有ソフトに分散コンピューティングクライアントとしての機能を備え、仮想スーパーコンピュータを構築して、そのコンピュータ資源をリースすることで得られる資金を、ミュージシャンに配ろうというものです。

 Gnutella Powerは、かなり以前(数カ月以上前)からwebサイトも消えてしまっている状態です。
 Gnutella Powerは、著作物の使用料支払というオーソドックスな考え方でしたが、ThankYou2.0は、ミュージシャンに直接払うという姿勢のようです。
 ファイル共有ソフトでやり取りされるファイルの内容については無制限な状態だと思うのですが、どうファイル共有ソフトでやり取りされるミュージシャンに配分するのか,そして顧客企業が見付かるのか。

 2000年頃登場した一般参加型分散コンピューティングベンチャーの末路の印象が強すぎるのか、私は商業化には悲観的で、NTTデータ社ですら、顧客企業の獲得には苦労すると考えています。
 NTTデータ社も一般参加型の商用化には数年かかるだろうと語っています。
 時間と共に、社会的合意・社会のグリッドという概念への理解の浸透が進んで、商業化として、自立できるという考えのようです。
 官公庁のシステムを受注する社会的信用性の高いNTTデータですら難しく見えるのに、違法性の高いファイルを多数共有しているサービスから、処理能力・サービスを買おうと思う企業がどれだけいるか...
 NTTデータ社は、まず無くならないですが、Napsterを含め、この手の企業は簡単に消え去ってしまいます。

【GGF7レポート】Grid Technology Producer UPDATES、実現しつつある巨大な計算能力 (MYCOM PCWeb 2003.2.7)
 ○「cell computing」が実現した巨大な計算能力
 HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)の市場予測は自分には出来ませんが、もし、一般参加型も含めて、このような大きな市場が形成されるなら、ThankYou2.0の処理能力にも活路は出てくるのやも知れません。

 しかし、今は難しいように。
 4-6月にソフトのリリースを考えているそうですが、社会に浸透し市場が立ち上がる時期が来るまでに法的に潰されてしまう恐れも。

 まず、最初に、分散コンピューティング機能を使用する際、顧客が見付からない以上、無償のボランティア的な実験から、ThankYou2.0も始めていく可能性が高く見えます。
 ダイレクトに善意の琴線に響く、UD社の、がん治療薬検証のようなプロジェクトを立ち上げるかもしれません。

 その時、著作権侵害でサービス停止に追い込まれると、プロジェクト自体が立ち消えになってしまう恐れが。
 それをコンピュータ系メディアが(既存の著作権ホルダー的メディア系企業への悪意を内包しているかに思えるような)悲劇的な報じ方をし、分散コンピューティング参加者が、サービスを停止させたメディア企業・レコード団体に憎悪の感情を持ったりする時代が来るのではと、妄想に近い先読み過ぎる懸念も。


2003.3.7
Trianglesは終わったことを取り上げていたのか。(しっかり後ろまで読めよ)


2003.3.6
2002.11.25の日記で取り上げたTriangles Programming ContestをドイツのRechenkraft.netも正式なプロジェクトとして掲載。
 未だWebページ無しで、クライアントソフトのみ無造作に置いてある状況...当方は当面、様子見を続けます。


2003.3.5
グリッド関連のニュースやリリースを拾うなら、P2P today ダブルスラッシュもお薦め。

creative commons日本語情報のライセンス検索に、AlltheWebでの検索追加。
 細かく検索オプションを色々と指定できることもあって、どう見てもこっちのほうが良いですね。
 検索オプションで弾いても、何故か、弾ききれずに混じっている別ライセンスが一部あるのが謎。


2003.3.3
GRID関連の情報を拾って載せるようにしたら、GRIDで埋まりかけている。
 くっ、これは本意ではない(笑)

著作権を自分でコントロールするための新しいツール クリエイティブコモンズとは (iNTERNET magazine 2003年4月号)
・創作物の「自由」な流通を作る新しい政府の出現か? (白田秀彰
 昨日に引き続いてこの話題ですが、Public domainで写真でも公開するかと準備してるんですが、はてさて、では、これの日本での法的根拠はどうなるんだろう。
 と、軽く調べて書くつもりでしたんですが、ライセンスの選択とパブリックドメインへ供するの選択とでは重さがちと違うようにも思えますが、Legal Codeがライセンスとして意味を為すかという基本的な部分への考察からは、ちょっとピントがずれますが、裁判が起きた時、この行為の契約としての意味づけにどういう法律が適用されるのか、まとまらないまま書きかけのをそのままアップ。

「日本ではパブリックドメインという概念は存在しない」
 80年代後半、パソコン通信の世界で、PDS(PublicDomainSoftware)と呼んでいたソフトウェアが、次第にFSW(FreeSoftware)と呼ばれるようになったことをご存じの方も多いかと思います。
 日本の著作権法にはパブリックドメインの概念は無く、著作者の死後(又は公表後)50年が経過しても、著作権は無くならず、著作保護期間が終了しただけで、著作人格権等は残ったままとされています。
 (著作人格権も時間と共に薄れていくべきと考える説は多いけど、まぁ、それはおいて)

 以前、私は、「Public Domainで写真を公開したい」と語りましたが、では日本において具体的にどうなるのでしょうか。
 私が「Public Domain」と告知して、皆様が自由に使って下さり、私もそれに満足している間は何の問題もありませんが、例えば、その後、気変りして、
と言い出したとします。
 それに対して、今まで使ってきた人で、これからも使う予定の方が、
 で、裁判になった場合、こういった問題を解決する法は...意志表示(93〜98条)と、契約に関する民法の部分で対応するしかないでしょうか。
 使用貸借契約(ただで物を使うために借りる契約)は、ちょっと違いますか。贈与契約(549〜554条)でしょうか。

 creative commonsは、パブリックドメインへ供する(Public Domain Dedication)を選択した場合、この認可は永久で、変更できないと記載しています。
 パブリックドメインへ供する(Public Domain Dedication)の選択を決定する前に、氏名・作品名・メールアドレスを入力させたり、何度も確認をさせたり、「overt click」を5回押させたり、他のライセンスと比べてかなりハードルが高く設定されています。
 これはパブリックドメイン化する契約と見なすことができるのかも知れません。

 creative commonsの「パブリックドメインへ供する(Public Domain Dedication)」の選択を済ませた時点で、公に対して贈与契約が、結ばれたと判断するのでしょうか。
 贈与契約は、相手側が受諾しないと成立しない(549条)わけで。
 どうなるんだろう。

 公への契約と言いますかccのライセンス提示なんてのは贈与契約ほか民法の規定している契約(典型契約)ではなく、非典型契約にあたり、贈与契約の民法の条文は合致しないのか。
 多分こんな気がする。

 それともccのパブリックドメイン表記を提示している状態は、契約を提示している状態で、相手(見ず知らずの利用者)が勝手に利用=受託ということになるのだろうか。
 その場合、遠隔地の相手に対する意志表示は、相手方に意志が到達した時点で効力を発揮する(97条)のだから、利用者は、著作者に「パブリックドメイン宣言見たよ。使うからね」とわざわざ言わなければ効力を発揮しないのか。
 遠隔地の契約は承諾の通知を発信したときに成立する。申込者が受諾通知不要と言った時や通知不要の取引習慣がある時は、承諾したと認められる事実があった時に契約は成立するという526条の適用が適切だと思う。

 仮に贈与契約の条項が適用されるなら、これは口約束レベルなのか,書面と同等の効力があるのかという問題も。
 書面扱いなら今後も有効ですが、口約束レベル扱いなら今後については取消可能(550条)

 しかし、ここまで書いてみても、非典型契約だけど根本の部分で、もっとスマートな解決法(律か判例)があるようにも。
 民法の判例となりますと、もう私の守備範囲を完全に超えますので、文化庁の自由利用マーク発表で、日本の法学者によるこの辺りの議論が出てくることを期待したいところ。

 では今度は、争点を契約成立の有無ではなく、
 とか言った場合は、錯誤(95条)が適用されて無効にできるのかな。
 表意者に錯誤(思い違い)があっても、無効にはなりませんが、契約の重要な部分について勘違いして、もしそのような錯誤(思い違い)が無ければ、誰もそういう法律行為をすることが無い認められるような場合で、重大な不注意が無かった場合は適用され無効に。
 錯誤(95条)は、善意の第三者にも無効の効力が及ぶという強烈なもの。
 ただ錯誤が適用される条件は、そうめったにないレベルのものの模様。


2003.3.2
著作権を自分でコントロールするための新しいツール クリエイティブコモンズとは (iNTERNET magazine 2003年4月号)
 creative commonsの国際化プロジェクトを一月以内に発表予定。
 国際化にあたっては日本を最初の国、EUを二番目に。

 日本の法律に精通した協力者も見付かったのかな。
 めでたい、めでたい。
 自分はお役ごめんとなるのかな。

 cell computingが終わり、creative commonsも自分の役目は終わり、ページの運営を分散コンピューティング一本に絞っても良いのですが、また何か新しい面白いことをやりたいところ。

 さて、次に、日本でまだ誰もやってないようなことをやるとしたら...2002.1.13の日記にも取り上げた、ハロルド・コーエンのアーロンの情報サイトなんてのも面白いかも。
 アーロン自身に人工知能的・学習機能的な部分があれば、各人のアーロンがマイ・アーロン状態になって面白いんだけど...ひょっとしてあるのかな?


2003.3.1
cell computing、BOLERO中間報告を発表
 ぉぉぉ、素晴らしい!!
 今まで、参加者への説明を、こんな短期間のうちにまとめ上げて果たしたプロジェクトがあっただろうか。
 20番染色体の中からリピートのある部分,ありえない部分を篩い分けた結果が視覚的に体感可能。
 マスコミへのリリースも行われたのかな?
 是非とも行って頂きたいところ。

 解析結果が視覚的に理解できるのは嬉しい。
 もう少しテキストでの解説があると理解し易いようにも...

数百万人でオンラインゲーム、PS2に技術提供 米バタフライ (毎日Interactive 2003.2.28)
 複数のサーバで1つの“世界”を作り出すのが特徴。1つのサーバがダウンしても、残りの稼働サーバで“世界”を維持できるため、サーバの追加や入替可能。
PC束ねて高性能システム実現--国産独自OS登場 (日経BP 2003.1.20)
 「パソコンを並べるだけで、無停止サーバーが構築」
NEC、ブレードサーバー事業に関する説明会を開催 (impressWatch 2002.3.6)
 稼働中のサーバにブレードサーバを追加するデモを実施

 GRIDが実現する方向性の一つとして、サーバ(サービス)の無停止という方向性がありますね。


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