「ビジネスのほうは相変わらず順調なのか?ダニーの事だしうまくやってるんだろ?」
「それが……社長はその事で昨日、越前様に電話をさし上げたようなのです……」
「ん、なんだぁ、ダニーのやつ、なにかトラブルにでも巻き込まれたのかぁ」
「取引先の中で代金の滞っているところがあるのですが、実はその会社の名前がデスビスノスデラックス株式会社と言う会社でして……越前様と何か関係があるのではと……」
「デスビスノスデラックスぅ……あのやろお。そんな偽名俺は一発で見破るぜ。その会社、何やってるんだぁ」
「はい。何をやっているのかはよく判らないのですが、大量に金属用研磨剤をご注文されました」
「あのやろお。自分の体洗うためだなぁ。倒された時に泥の中に埋め込まれた事、あんな奴でも気にしやがるんだな。で、やつはどこにいるんだ」
「それが、商品郵送先の住所に集金に行っても、ただ遺跡があるだけで完全に雲隠れしてしまったんです」
「くっそぉ、逃げやがったな」
デスビスノスの野郎、俺の親友のダニーから金属研磨剤をだまし取るなんて許せないぜ。けど、いない奴はもうしょうがないぜ。……しかし、ここで調査するとか言って費用をもらえれば当面食いつなげるな……
「そうか、ちょっと調べてみたい事が前々からあったんだが、それにはどうしても資料が必要でな。で、『グレッグ教授の遺跡なぞなぞ大全集』って本を買いたいんだが、ハードカバーの高い本で30万円もしてよ。あれがありゃあ、なんとか判りそうな気もするんだがな……ダニーの奴、邦訳版持ってないか?グレッグの野郎、邦訳版まではくれなくってよ」越前は、ダニーが邦訳版までは持ってない事を判っていながらそう言った。
「あっ、当方でお金でよろしければ用意させて頂きます。社長より、越前様がいつでも必要な時に使える資金をプールしておりますので、早速振り込ませていただきます」
「そうか、悪いな。それじゃあ、せっかくだから調べてみるぜ」
「よろしくお願いします」
しかし後に、子供向けの680円の本だと判り、
越前の信用は地に落ちた