デスクリムゾン アドベンチャープック

No.25

「まずはピール飲むぜ」
「え〜〜、なんでよぉ〜。僕つまらないよ〜」
「歩き通しじゃあ、やっぱ辛いぜ。それに俺はお前を担いできたんだぜ」
「じゃあ、僕だけ先にエコールに行ってるね」
「おいアンリ。ガキのお前はまだ判ってないだろうが、こういう労使交渉は集団交渉が普通だぜ。焼き鳥くらいおごってやるからよ」
「ん〜、しょうがないなぁ〜…」

越前が地階にある居酒屋のドアを開ける。と同時に、
「へい、いらっしゃ〜い」という威勢のいい声が聞こえる。
「せっかくだから、ビール1杯と、俺はこの赤の焼き鳥を選ぶぜ」
「はい、了解しやしたぁ」
 名台詞を決められたことに加え、店側の素早く威勢の良い対応に、越前は上機嫌になっていた。次々とビールを頼む越前。アンリはたいくつそうにしている。

 やがて2時間ほどたった時点で、越前もさすがに酔いが回ってきた。
「くっそぉ、このやろほ、のみやがったなぁ」
何もしてないアンリにからみだす越前。
「僕、何も飲んでなんかないよ。早くエコールに行こうよぉ」
「エコールぅ!?……それは10年前の会社であった……へへへへへへへ」
「もう、じゃあ僕だけエコールに行くから、僕のお財布返してよ」
「お財布を取り返せ……お財布は奴が持っている……そいつの名前は……バン バン バン バン バン ずごごぉぉぉぉぉぉぉ、でぇすくりむぞぉん……ひゃひゃひゃひゃひゃ」
「先にエコールに行くから、後でお財布返してよね」
アンリはついに店から出ていってしまった。越前は更にビールを飲んでいる。

 結局越前は、閉店時間に無理矢理追い出される時お金が全然足りず、無銭飲食扱いで警察を呼ばれてしまい、その後、銃の不法所持で逮捕されてしまった。

「くっそぉ〜エコールめ、やりやがったなぁ。俺の襲来を予期してデスビスノスと組やがったなぁ」
警察は、わけの分からないことを話しているとし、拘置はもう少し長引きそうだ。


おしまい


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