「実はよぉ、前にデスビスノスがサロニカの町を襲ってから、もう500日が立つんだが」
「あぁ、もうそんなになるんですね。時のたつのは速いですね」
「で、『週刊サロニカ現代』って週刊誌がまたあの事件の特集を組むってんで、俺んとこにもインタビューに来たんだが、その時、『メイン記事はなんなんだぁ。せっかくだから、教えろよぉ』って聞いてみたら、
『サロニカ町の富豪ダニー氏 10年前の遺跡盗掘がデスビスノス襲来の原因か!?
クリーチャー襲来時、本人はさっさと逃亡』
って記事になるって言うんだ。ダニーはもうこの事知ってるのかい」
「いえ……まだ、こちらにはそのような情報は入ってきていません……」
電話越しにでも、相手の固まった声が判るぜ。いけるか……
「そうか、やっぱりなぁ。で、俺は週刊誌のやつに、『ダニーは俺の親友だぁ。そんな記事せっかくだから出すなよぉ』って怒鳴ったんだが、もうそのページは印刷とかの外部発注の作業に出てるから止められない。止めるにはかなりの費用が掛かる。それもすぐに。って言うんだ。それでダニーに相談に来たんだが……」
「ありがとうございます……どのくらいの費用が掛かるのでしょうか」
きたきたきたきたきたぁ、さぁいくらにする。あんまり親友のダニーからは多く取りたくないぜ。けど、やっぱ安すぎると、逆に疑われるよなぁ……友人割引で50万円ってのが妥当な数字かな、いや、せっかくだからセガサターン版デスクリムゾンの100倍の値段って事で58万がいいかな。
「58万」
へへへ、言っちまったぜぃ。どうする秘書……
「判りました。58万ドラクマ直ちに用意するよう手配します」
ドラクマ……??「ん!?なんだぁその金はぁ?女神転生でもやってんのか〜〜」うっ、つい自分がもらうかのような直な反応をしてしまったぜ。
「いえ。ドラクマはギリシャの通貨なんです。」
「そ、そうか、そうだったよな。やっぱドルみたいに1ドラクマ130円くらいするのかい?」
「いえ、今の相場で1円で2.17ドラクマです」
「なんだぁ〜その金はぁ〜〜!!」ついカッとしてしまうぜ。
「では話しは急なのですが、今すぐ、コンバット越前様ププッの口座に振り込ませて頂ければありがたいのですが」
「あぁ、構わないぜ」25万円ちょいになっちまった事や、俺の名前の後笑った事で腹も立つが、やはり「振り込む」って言葉には弱いぜ。
しかし今、サロニカ市警の放った捜査官が
越前に襲いかかる